理学療法士の豆知識ブログ

理学療法士の豆知識をアウトプットするブログです。

不良姿勢の特徴について

みなさん、こんばんは。

 

 

ゴールデンウイークは終わりまた日常生活が戻ってきました。

 

 

頑張りましょう。

 

 

本日は、立位における不良姿勢について簡潔に書いていきます。

 

 

まずは立位におけるニュートラルポジションの復習から。

 

 

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理想的な姿勢

 

 

・乳様突起が床と平行

・肩をひらき、下がった状態であること

・前方トライアングルが前方の壁と平行

・ラップ&ジップが行えること

・膝蓋骨が第2中側骨と垂直面上にあること

 

 

これがいわゆる理想的な姿勢です。

 

 

ここから本題の不良姿勢について解説していきます。

 

 

1.腰椎前彎姿勢

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腰椎前彎姿勢

 

 

特徴として見られるのが、

 

 

・頭部前方変位

(後頭下筋群の短縮)

 

・胸椎後彎

(大胸筋、小胸筋、肩甲下筋の短縮)

 

・腰椎前彎

(脊柱起立筋の短縮)

 

・骨盤前傾

(腸腰筋、大腿直筋の短縮)

 

 

2.フラットバック姿勢

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フラットバック姿勢

 

 

特徴として見られるのが、

 

 

・頭部前方変位

(後頭下筋群の短縮)

 

・腰椎後彎

(大殿筋、腹筋群の短縮、全体的な脊柱の可動性低下)

 

・骨盤後傾

(ハムストリングス、股関節外旋筋の短縮)

 

 

 

3.スウェイバック姿勢

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スウェイバック姿勢

 

 

特徴として見られるのが、

 

 

・頭部前方変位

(後頭下筋群の短縮)

 

・胸椎後彎

(大胸筋、小胸筋、肩甲下筋の短縮)

 

・骨盤後傾・前方変位

(ハムストリングス、股関節外旋筋の短縮)

 

・股関節過伸展

(大殿筋、ハムストリングスの短縮)

 

 

以上が不良姿勢に多い姿勢と不良アライメントです。

 

 

非常にざっくり書きましたが、とりあえずこのような姿勢があるということ知るだけでもいいと思います。

 

 

また、それぞれの姿勢を細かく評価~治療まで乗せるつもりです。

 

 

ではお疲れさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

Pitates Mat Work

 

ブリッジ動作における評価について

みなさん、こんばんは。

 

 

今日は「ブリッジ」について記事を書いていこうかと思います。

 

 

臨床でもブリッジはよく治療で行うことがあると思います。

 

 

ただなんとなくブリッジを行っていることってありませんか?

 

 

ブリッジ動作一つで評価にもなり治療にもなります。

 

 

今日はブリッジ動作にどのような評価が行えるのかを伝えていきます。

 

 

そもそもブリッジ動作とは?

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アーティキュレーティングショルダーブリッジ

 

 

 

 

まずはブリッジで利用する筋肉は大殿筋・ハムストリングスだけでないことを知る必要があります。

 

 

・求心的に働く筋肉

大殿筋

ハムストリングス

脊柱起立筋群

(付随筋:三角筋後部繊維)

 

 

・遠心的に働く筋肉

内腹斜筋

外腹斜筋

腹直筋

腹横筋

(付随筋:股関節屈筋群)

 

 

細かく言えばまだありますが多くは上記の筋肉が働きます。

 

 

上記の筋肉がブリッジ動作の際にうまく働くことによってある程度左右対称にブリッジ動作を行うことが出来るようになります。

 

 

どのようにブリッジ動作で評価していくのかというと、どの動作にも大切ですが以下の二つが評価する際に大切だと考えています。

 

 

・代償動作の有無

・キューイングによる修正

 

 

この二つです。

 

 

代償動作においてみていくポイントを上げていきます。

 

 

代償動作について、

 

 

つま先は外を向いていく

→腓骨筋群・大腿筋膜張筋・中殿筋の短縮

→内転筋群・大殿筋下部繊維の筋力低下

 

膝が開いていく

→腓骨筋群・大腿筋膜張筋・中殿筋の短縮
→内転筋群・大殿筋下部繊維の筋力低下

 

最後まで上がりきらない

→股関節屈筋群・腹筋群の短縮

→そもそも大殿筋の使い方が分かっていない

 

胸郭が浮かびあがってくる

→腹横筋上部繊維・内腹斜筋の筋力低下

 

腰が反る

→股関節屈筋群の短縮

→脊柱起立筋群の過活動

 

顎が上がってくる

→脊柱起立筋群の短縮

 

肩関節が内旋してくる

→小胸筋・大胸筋の短縮

 

骨盤が側方にぶれる

→Sway側の中殿筋の筋力低下

→Sway側でない方の大腿筋膜張筋・中殿筋の短縮

 

 

次にキューイングについて、

 

 

つま先は外を向いていく
→腓骨筋群・大腿筋膜張筋・中殿筋の短縮
→内転筋群・大殿筋下部繊維の筋力低下

 

 

上記のような代償動作が見られ場合、



本当に短縮によるものなのか、

筋力低下によるものなのか、

やり方がわかっていないのか、



判断する必要があります。

 

 

それがキューイングです。

 

 

「つま先を外に向けないようにブリッジをしてください。」

 

 

このようなキューイングで上記の代償動作が改善するようであればそれはやり方が分かっていなかったということになります。

 

 

また、

 

 

「ここを使ってくださいね」

 

 

ここを使ってくださいねとタッピングをしてあげると上記の代償動作が改善するようであればそれも筋力低下が原因でないということになります。

 

 

これらの代償動作・キューイングを知ることによって複数あがる問題点も絞れてくると思います。

 

 

もちろん、患者さんの元々のマルアライメントを評価し後回しにするところや、完全に修正することが難しいところは判断する必要がありますが。

 

 

今回はブリッジ動作を見ていきましたが、どの動作でも必要なことだと思うのでぜひ生かしてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献

ピラーティスアナトミィ 監督:中村 尚人

Pilates Mat Work

 

 

 

 

 

 

 

 

ニュートラルポジションについて

みなさん、こんばんは。

 

 

みなさんは姿勢評価を行うときはランドマークを利用することが多いと思います。

 

 

例えば、立位だと乳様突起-肩峰-大転子-外果など思いつく方が多いと思います。

 

 

立位にも姿勢が様々ありこの姿勢をみてぱっと弱化筋やアライメントのズレが思い浮かびますか?

 

 

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さらにいうと、座位は? 背臥位は? 腹臥位は?

 

 

以外と出てこない人が多いと思います。それぞれの姿勢でのニュートラルポジションを知ることは姿勢分析を行う際にとても大切なことです。

 

 

ニュートラルポジションを知ることで、どんな体位においてもアライメントを評価するために使われます。

 

 

これにより、指導者だけでなく、クライアントもエクササイズ毎にアライメントを評価でき、フィードバックするときにも役に立ちます。

 

 

それでは、それぞれの体位におけるニュートラルポジションの説明を行います。

 

 

背臥位

 

・足・膝の幅は坐骨結節幅

・骨盤の前方トライアングルが床と平行であること

・胸郭が床に対して平行であり、かつ第11、12肋骨が床についている状態であること

・第10肋骨前部とASISが同直線上にあること

・肩を開きさがった状態であること

 

 

腹臥位

 

・足・膝の幅は坐骨結節幅

・骨盤の後方トライアングルが天井と平行

・第10肋骨前部とASISが同直線上にあること

・肩を開きさがった状態であること

・翼状肩甲状態でないこと(肩甲骨が浮いていないこと)

・脳天が第7頚椎と同直線であること

 

 

側臥位

 

・両下肢を重ねて伸ばし、股関節が約30度屈曲していること

・両大転子と両肩がそれぞれ同じ縦軸上に位置していること

・第10肋骨側面とASISが横軸上にあり、地面に対して垂直であること

・上の足を遠くに引かれるように伸ばし、マウスハウスをキープすること

・肩を開きさがった状態であること

 

 

座位

 

・足・膝の幅は坐骨結節幅

・バイクシートが床と平行で前方のトライアングル面が床と垂直にあること

・第10肋骨前部がASISと同直線上にあること

・乳様突起と肩峰が一直線上にあること

・肩を開きさがった状態であること

 

 

プランク

 

・骨盤の前方トライアングルが上体の角度と同じ角度であること

・翼状肩甲状態でないこと

・第10肋骨前面とASISが同じ縦軸上であること

・脳天が第7頚椎と同直線上にあること

 

 

立位

 

・膝蓋骨が第2中側骨と垂直線上にあること

・ラップ&ジップが行えていること

・前方トライアングルが前方にある壁と平行であること

・第10肋骨前部がASISの上方に位置していること

・肩を開きさがった状態であること

・乳様突起と肩峰が同直線上であること

 

 

四つ這い

 

・後方トライアングルが天井と平行な位置にあること

・翼状肩甲状態でないこと

・第10肋骨前部とASISが同じ縦軸上にあること

・乳様突起と肩峰が一直線上にあること

・股関節と肩甲上腕関節が90度に屈曲した状態であること

 

 

以上がそれぞれのニュートラルポジションです。

 

 

ニュートラルポジションを知ることの利点は、

 

・圧倒的に姿勢分析速度が上がる

 

・動作時の代償動作を見分けやすくなる

 

・コアへの収縮の入り方が格段によくなる

 

このあたりの評価スピードが上がります。

 

 

また、ニュートラルポジションを取れない人はなぜニュートラルポジションが取れないのかを考えるだけで弱化筋を判断することもできます。

 

 

ぜひ覚えて参考にしてみてください。

 

 

 

 

参考文献:Pilates Mat Work

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フットコアシステムについて

皆さん、こんばんわ。

 

今日は足部についての豆知識をお伝えします。

 

「フットコアシステム(foot core system)」

 

知っているようで知らないこの言葉。

 

簡単に言うと足部の内在筋についてのお話です。

 

フットコアシステムとは?

 

足部の安定化のためには、

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①パッシブサブシステム(passive subsystem)

②アクティブサブシステム(active subsystem)

③ニューラルサブシステム(neural subsystem)

 

この3つのシステムが必要となり、総称としてフットコアシステムと定義している。

 

①パッシブサブシステム(passive subsystem)について

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パッシブサブシステムによるドーム構造

骨・靭帯・関節包から形成される。また解剖学的特徴である、アーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、前後の横アーチ)を構築し、それぞれのアーチが結合することで体重などの荷重不可に柔軟に適応することが可能となる半ドームを形成している。

 

 

②アクティブサブシステム(active subsystem)について

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アクティブサブシステムによる足部内在筋の4層

足部の内在筋・外在筋・腱から形成される。外在筋は運動を実行する役割があるのに対し、内在筋は足部にたいする安定化作用や足の縦・横アーチを補助する役割がある。具体的には、内在筋はいくつかの相で形成されるが、最初の2層は内側・外側アーチの形成に関わり、深層は横アーチに関与する。このため、内在筋は床反力を受け取る感覚入力の腱となり、運動連鎖による筋活動パターンを生み出すといわれている。

 

 

③ニューラルサブシステム(neural subsystem)について

アクティブサブシステムおよびパッシブサブシステムに含まれる皮膚、筋、腱、関節包、靭帯などの感覚受容器から形成される。特に皮膚受容器は歩行やバランスなどの機能に影響を及ぼすことが報告されている。また足部の内在筋の解剖学的な構造は、粗大な関節運動には適しておらず、半ドーム構造により伸張される感覚情報を瞬時に受け取ることに適している。

 

 

すごくざっくりいうと足部の内在筋の働きが体幹のコアと同じで大事ということ。

 

 

足部内在筋群は、

 

・立位よりも歩行のような動作活動において一層活動する

・両側より片脚立位のような姿勢が要求されるほど活動する

・歩行時における立脚周期をともにサポートする作用をもつ

・体の推進力のレバーとして、足部の役割をサポートする

 

という性質があり、重要なことは言わずともわかるはず。

 

 

 

足部内在筋群の評価とは?

足部の内在筋は、PIP、MP関節を屈曲 させる筋が多い。

足部の外在筋は、DIP関節を屈曲 させる筋が多い。

また両側より、片脚立位のような姿勢で活動が増加する という

機能的性質を利用していくと内在筋の評価が行いやすくなる。

 

片脚立位時に、

 

DIP屈曲 → 外在筋優位の片脚立位

PIP、MP屈曲 → 内在筋優位の片脚立位

 

となるわけです。

 

そのため、

片脚立位時、外在筋優位側の歩行時のふらつきなど見られる場合、足部内在筋の機能低下が見られているかもしれません。

 

 

 

足部内在筋の治療とは?

治療に関しては、

 

・PIP、MP関節から屈曲運動を行うこと

・静止より動作活動を行うこと

・片脚立位を行うこと

 

が大事になってきます。いくつか治療を紹介します。

 

・タオルギャザー

DIP関節で屈曲するのでなく、PIP、MP関節から屈曲運動を行う。

 

・ストレッチポールを使用した立位動作

→ストレッチポールなどの円形の物の上に立ちバランスをとる。

(内側アーチ部に荷重がかかることによって内在筋の働きを促す)

 

・片脚立位動作

純粋に片脚立位を行い内在筋の活性化を図る。

(手すりなどを利用することで難易度調節が簡単)

 

以上です。参考にしてみてくださいね♪

 

 

 

 

 

 

 

〈参考文献〉

脳卒中の動作分析 臨床推論から治療アプローチまで

・MCkeon,PO,et al:the foot core system:a new parading for understanding        intrinsic foot muscle function. Br J Sports Med49:290:2015