フットコアシステムについて
皆さん、こんばんわ。
今日は足部についての豆知識をお伝えします。
「フットコアシステム(foot core system)」
知っているようで知らないこの言葉。
簡単に言うと足部の内在筋についてのお話です。
フットコアシステムとは?
足部の安定化のためには、
①パッシブサブシステム(passive subsystem)
②アクティブサブシステム(active subsystem)
③ニューラルサブシステム(neural subsystem)
この3つのシステムが必要となり、総称としてフットコアシステムと定義している。
①パッシブサブシステム(passive subsystem)について
骨・靭帯・関節包から形成される。また解剖学的特徴である、アーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、前後の横アーチ)を構築し、それぞれのアーチが結合することで体重などの荷重不可に柔軟に適応することが可能となる半ドームを形成している。
②アクティブサブシステム(active subsystem)について
足部の内在筋・外在筋・腱から形成される。外在筋は運動を実行する役割があるのに対し、内在筋は足部にたいする安定化作用や足の縦・横アーチを補助する役割がある。具体的には、内在筋はいくつかの相で形成されるが、最初の2層は内側・外側アーチの形成に関わり、深層は横アーチに関与する。このため、内在筋は床反力を受け取る感覚入力の腱となり、運動連鎖による筋活動パターンを生み出すといわれている。
③ニューラルサブシステム(neural subsystem)について
アクティブサブシステムおよびパッシブサブシステムに含まれる皮膚、筋、腱、関節包、靭帯などの感覚受容器から形成される。特に皮膚受容器は歩行やバランスなどの機能に影響を及ぼすことが報告されている。また足部の内在筋の解剖学的な構造は、粗大な関節運動には適しておらず、半ドーム構造により伸張される感覚情報を瞬時に受け取ることに適している。
すごくざっくりいうと足部の内在筋の働きが体幹のコアと同じで大事ということ。
足部内在筋群は、
・立位よりも歩行のような動作活動において一層活動する
・両側より片脚立位のような姿勢が要求されるほど活動する
・歩行時における立脚周期をともにサポートする作用をもつ
・体の推進力のレバーとして、足部の役割をサポートする
という性質があり、重要なことは言わずともわかるはず。
足部内在筋群の評価とは?
足部の内在筋は、PIP、MP関節を屈曲 させる筋が多い。
足部の外在筋は、DIP関節を屈曲 させる筋が多い。
また両側より、片脚立位のような姿勢で活動が増加する という
機能的性質を利用していくと内在筋の評価が行いやすくなる。
片脚立位時に、
DIP屈曲 → 外在筋優位の片脚立位
PIP、MP屈曲 → 内在筋優位の片脚立位
となるわけです。
そのため、
片脚立位時、外在筋優位側の歩行時のふらつきなど見られる場合、足部内在筋の機能低下が見られているかもしれません。
足部内在筋の治療とは?
治療に関しては、
・PIP、MP関節から屈曲運動を行うこと
・静止より動作活動を行うこと
・片脚立位を行うこと
が大事になってきます。いくつか治療を紹介します。
・タオルギャザー
→DIP関節で屈曲するのでなく、PIP、MP関節から屈曲運動を行う。
・ストレッチポールを使用した立位動作
→ストレッチポールなどの円形の物の上に立ちバランスをとる。
(内側アーチ部に荷重がかかることによって内在筋の働きを促す)
・片脚立位動作
純粋に片脚立位を行い内在筋の活性化を図る。
(手すりなどを利用することで難易度調節が簡単)
以上です。参考にしてみてくださいね♪
〈参考文献〉
・脳卒中の動作分析 臨床推論から治療アプローチまで
・MCkeon,PO,et al:the foot core system:a new parading for understanding intrinsic foot muscle function. Br J Sports Med49:290:2015